迷う時間を短縮。会社概要の書き方とページ構成の手順(書き方サンプル)
Web制作のキャリアを持つデザイナーの立場から、会社概要ページの作り方を具体的に知りたい人に向けて書いています。
この記事を読むことで、何を書けばよいかわからない悩みが解決し、迷う時間を短縮することができます。
当記事の利用方法
- 会社概要の役割を確認する
- 会社概要に必要な項目を把握する
- 必要な項目をピックアップして、会社概要ページの構成を組み立てる
説明を簡潔にするために「会社概要」としていますが、それぞれの事業形態により、法人概要、事務所概要、店舗概要、運営者情報などページタイトルは変わってきます。
あなたの事業形態に合わせて置き換えて進めてくださいね。
それでは、始めていきましょう。
会社概要ページの役割
会社概要ページの役割は会社の基本情報や特徴を伝えることです。
訪問ユーザーに「どんな会社だろう?」を理解してもらうために役立つ重要なページになります。
それは、下記のように項目の特徴を分けて準備することで、迷う時間を少なく進められます。
- 会社概要ページに必要な項目
- 基本情報と補足情報
- 基本情報と補足情報
- より興味関心を持ってもらうための項目
- メッセージ・理念・ミッション・ビジョン
次よりこれらの項目について順番に見ていきましょう。
会社概要ページに必要な項目
基本情報
基本情報として記載しておきたい項目です。
特に個人事業やスモールビジネスの場合は公開したくない情報もあります。
基本情報と言っても、公開できる範囲の記載で大丈夫です。
社名(屋号) | 正式な会社名、または屋号 |
---|---|
代表者(運営者) | 代表者、または運営者の氏名 |
所在地 | 郵便番号から住所を記載。Googleマップへのリンクなど |
連絡先 | 電話番号、メールアドレス、問い合わせフォームへのリンクなど |
URL | 公式サイト、運営サイトのURL |
事業内容 | 事業の内容 |
設立日 | 設立年月日 |
補足情報
補足情報としてあるとよい項目です。
営業時間 | 営業時間を記載 |
---|---|
定休日 | 定休日を記載 |
資本金 | 資本金を記載 |
従業員数 | 従業員、パート等の従事している人数 |
主要取引先 | 主な取引先の会社名 |
取引銀行 | 主な取引銀行名 |
許可・登録・免許 | 取得済みの許可・登録・免許番号 |
その他、社名(屋号)の由来やアクセスマップ、アクセス方法、沿革(経歴・略歴)などを掲載する場合もあります。
沿革(経歴・略歴)の内容と書き方
沿革は、これまでの歩みを書きます。
個人事業主の場合は、経歴や略歴といった見出しも考えられますね。
事業や自分自身の歩みを伝えることは、訪問ユーザーにより深く理解してもらうのに役立ちます。
事業立ち上げ前の経験、立ち上げの経緯、発展、変化してきたことを年月別に分けて紹介されていることが多いです。
沿革の書き方パターンは2種類。
それぞれ、メリット、デメリットを踏まえて、あなたの事業に合ったパターンを選んでください。
簡潔に事実だけを並べるパターン
書き方例
20xx年 1月 | ●●として独立 |
20xx年 5月 | ●●サービスを公開 |
20xx年 10月 | 本社を●●に移転 |
メリット:
短い時間で、明確に情報が伝わりやすい。
デメリット:
その事実が持つ感情が伝わりにくい。
ストーリーで語るパターン
書き方例
20xx年 1月 | ●●に関わる中で●●に興味をもち、●●をはじめる。 |
20xx年 5月 | ●●が上手くいかず一旦休止。 この挫折が人生の転機となり大きく成長できた。 |
20xx年 10月 | ●●との想いから、●●に再チャレンジ。 |
メリット:
感情に訴え、共感を得やすい。
デメリット:
受け手の解釈によって意図しない誤解が生じる可能性がある。
次に、より興味関心を持ってもらうための項目を見ていきましょう。
より興味関心を持ってもらうための項目
この項目には、メッセージ・理念・ミッション・ビジョンなどがあります。
これらは会社概要において、より訪問ユーザーの興味関心を引くために有効な項目です。
メッセージ
メッセージは、社長から、会社全体から、またはチームや個人事業代表から発信されることがあり、それぞれの視点で考えられます。
企業や個人事業のホームページには、さまざまなメッセージが掲載されています。
それらを研究して気づいたのは、有効なメッセージには共通して次の3点が含まれていることです。
- 何をしている会社(個人)かが一見して理解できる
- 事業を行う上で大切にしている価値観が伝わる
- 時間軸が見える
過去→ これまでやったきたこと
現在→ 現在やっていること
未来→ 実現していきたいこと
この3点が簡潔に伝えられているだけでも、その事業や個人事業者の魅力が感じられます。
魅力的で共感を呼ぶメッセージを構築するためには、かしこまった表現よりも、自分たちの言葉で、人柄や社風が伝わるような工夫を入れてみましょう。
理念
理念とは、変わることのない、大切にしたい価値観を指します。
それを学び始めたのは、なぜか?
その事業を行うきっかけとなった背景は何か?
その答えには、創業者やチームのこれまでの人生で育ってきた想いが反映されるでしょう。
理念は「いつまでに達成する」というよりは、常に変わらずあるものだと言えます。
参考:有名企業の理念
ソフトバンクの経営理念
情報革命で人々を幸せに
理念・ビジョン・戦略 | 企業・IR | ソフトバンク より引用
WordPressの理念(一部抜粋)
すぐに、そのまま使えること
理念 | WordPress.org 日本語 より引用
私たちは、すべてのリリースが必ずこの理念を守って作られるよう努力しています。
ミッション
ミッションとは、果たすべき使命や目標のこと。
「果たすべき使命」という言葉は、やや堅苦しく感じられますが、簡単に言えば「これを実現したい」という目標です。
これは、目の前の小さな課題というよりは、大きな目標について掲げられることが多いようです。
また、ミッションはビジョンのベースとなる行動だとも言えます。
参考:有名企業のミッション
Googleの使命
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。
Googleについてより引用
Adobeのミッション
世界を動かすデジタル体験を
アドビ株式会社について|Adobeより引用
ビジョン
ビジョンとは、実現したい理想の姿を描いたものです。
その理想は、単なる利益だけでなく、大切にする価値観や社会への貢献も考えて描きます。
ミッションが「目標」を掲げるのに対して、ビジョンは「未来像」を表現するといったイメージです。
参考:有名企業のビジョン
LINEのビジョン
私たちのビジョンは、24時間365日生活のすべてを支えるプラットフォームになることです。
LINEの企業理念 | 会社情報 | LINE株式会社 より引用
ソフトバンクのビジョン
「世界に最も必要とされる会社」を目指して
理念・ビジョン・戦略 | 企業・IR | ソフトバンク より引用
ここまで紹介してきた、会社概要ページに必要な項目を復習すると下記になります。
- 基本情報
- 補足情報(補足情報と沿革)
- より興味関心を持ってもらうための項目(メッセージ・理念・ミッション・ビジョン)
これらを組み合わせて会社概要ページの構成を組み立てていきます。
会社概要ページの構成を組み立てる
会社概要ページを組み立てるポイント
ページ構成を上手く組み立てるためのポイントは下記の通りです。
- すべての項目を盛り込む必要はない。
-
掲載したい項目をピックアップしよう。
- 表示順の決まりはない
-
表示順の決まりはありません。
伝えたい優先順位を整理して進めよう。 - 1ページにまとめるか、別ページを設けるか
-
紹介してきた項目は、一つの会社概要ページにまとめて掲載することもできますし、別ページで紹介するケースも考えられます。
スマートフォンが主流となった現代では、情報を1ページにまとめることで、訪問ユーザーの目に留まりやすい利点があります。
ホームページの目的や想定ユーザーを考えて決めてくださいね。
以上の要領で掲載する内容を組み立てていくと、迷う時間を節約してスムーズに進みます。
例えば、シンプルな会社概要ページの構成にすると次のようなイメージになります。
会社概要ページのサンプル
掲載したい項目の一例です:メッセージ、基本情報、沿革。
これらの項目に、視覚的にイメージできる画像を配置することで、ページ全体が見やすく、訪れるユーザーにとって魅力的な印象を与えることができます。
事業の状況に合わせて基本情報以外の情報は変化していくもの。
例えば、メッセージは時代に即した形に変えることで、メッセージの効果が向上します。
沿革についても定期的に追加されていきます。
こういった変更作業の負担が少なく済むのもWordPressで制作する利点ですね。
まとめ:編集後記
会社概要の書き方まとめ
- 会社概要に必要な項目の特徴を分けて準備することで、迷う時間を少なく進められる。
- 必要な項目(基本情報・補足情報)
- より興味関心を持ってもらうための項目(メッセージ・理念・ミッション・ビジョン)
- 公開できる範囲の記載でOK
- ページ構成を上手く組み立てるためのポイント
- すべての項目を盛り込む必要はない。
- 表示順の決まりはない
- 1ページにまとめるか、別ページを設けるかはホームページの目的や想定ユーザーに合わせて決める。
この記事では、会社概要の原稿作成において役立つポイントをご紹介しました。
会社概要の作成に迷っていた方が、必要な項目を整理して準備することで、少しでも進捗がスムーズになってもらえたら嬉しいです。
基本情報や補足情報だけでなく、興味を引くための要素も加えることで、読者により深く印象づけることができます。そして、公開範囲やページ構成についても柔軟に対応できるポイントがあります。
訪問ユーザーにとってわかりやすく、魅力的なページを構築するために。
ぜひ、このページの情報を参考に、あなたの会社(活動)が伝わる会社概要ページに仕上げてくださいね。